ベストセラーの怖さ   [ブログ]

本は売れたときが怖い

 

私は雇われ社長でしたから、オーナーは別にいました。「いいですよ。売れ残ってもいいから重版しましょうよ」とオーナーに重版をうながされます。

「ダメです。出来ません。重版するんならどうぞ。私、社長を辞めます」

このセリフを幾度口にしたことか。私は、ベストセラーの怖さを誰よりも痛切に感じていました。

毎日、段ボール箱一杯に詰められた注文書が届きます。注文の減数出荷ならばいい方で、そのまま捨てる場合も数多くありました。オーナーにとっては、せっかく集まったお金を捨てているような気分です。20万冊以上売れた本の実売率は常に90%以上。これが私の誇るべき実績です。まさに「赤子泣いてもフタとるな」です。この繰り返しが出版取次の担当者への私自身の信頼を高めていきました。

確信は持てないけれど、まだ売れるかもしれないと思った本は別の本にします。売れた本の中味を盛り込んで、さらに書き加えるのです。まったく別の本です。

そしてまた一からやり直しです。少部数での定点観測を始めます。ここまで書くと私が雇われ社長をしていた出版社がどこなのか想像がつく人もいるでしょう。ほんの数年前までですが、私にとっては、はるか昔です。

2007年版 個人出版(自費出版)実践マニュアル」 (高石左京・著 120121ページ) より

 

去年10月、高石左京さんの本をこのブログで取り上げた。そうしたところ、高石さんから「本の紹介ありがとうございます」というコメントがあった。著者本人からコメントを貰うなどとは思ってもいなかったので驚いた。
 

高石さんは、毎週水曜日、新宿ゴールデン街で飲み屋のマスターをやっているという。そして、出版に関する相談は水曜日に、その店に来てもらうのが原則だという。一度行ってみたいと思っているが、なかなか実現しない。

 

一方、高石さんはブログを持っている。しかし、そのブログが去年の127日を最後に更新がストップしている。記事によると、腸閉塞で入院したという。その後の経過について何もわからない。
    
高石さんは、今年の2月には新しい本を出版予定だったという。その後、その予定はどうなったのか。心配が募る。

 

 

出版屋、高石左京の今日この頃
http://ameblo.jp/pubnet/

 

 
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