悲しい文章は周波数が広い・・・(?) [言葉・文章]
おかしな文章の数々
読みやすい文章のコツは、面白いかどうかにある。
ただ、この面白いという意味ほどむずかしいものはない。悲しい文章は周波数が広いから、万人向けの文章も作れるけれども、「面白い」という周波数は狭いから、ピタッとはまらないと笑ってもらえない。
だが、笑いには大笑いもあれば、微笑もある。大笑いされなくても、微笑程度でいいから、ユーモア感覚、ライト感覚で文章を書く。眉間に皺を寄せて書かない。楽しんで書く。
本人が面白くもないのに、楽しくもないのに、読者が面白がったりするわけがない。そう腹をくくって書こう。
「大人の文章術」 (中島孝志・著 184ページ) より
「悲しい文章は周波数が広い」という意味がわからなかったのでQ&Aサイトで聞いてみた。そうしたところ、的確な回答があった。
>「周波数が広い」は完全に間違った表現である。周波数は「高い|低い」ものであり、周波数に関連した用語を使いたいなら、正しくは「同調(共振)範囲が広い」と表現すべき。
質問を投稿した後でそのことに気付いた。「広い」「狭い」は周波数帯域幅についていう。
>おそらく文章の推敲を全くしていないと思われる。こんな書き殴り文が市販の書籍になっているのだとしたら、あきれるばかりだ。
本は素人でも書ける。しかし、編集者がプロとしての仕事をしていないためにこういう本が出回ることになる。呆れると同時に怒りを覚える。
仕事は畳の目を数えるように進めるものだ。 伝えたつもりが伝わっていない。 教えたつもりがマスターしていない。 これでは仕事は前に進まない。
「大人の表現術」 (中島孝志・著 151ページ) より
「畳の目を数える」ように仕事を進めるとはどういうことか。「畳の目を数える」ということが仕事とどう関係するのか。さらには、そのことが「伝えたつもりが伝わっていない」にどうして繋がるのか。
適切な比喩は理解を助けるが、不適切な比喩は理解を困難にする。「畳の目を数える」という比喩はこの例では極めて不適切だ。
ただでさえ甘く感傷的に自分本位になりがちなトーンが「です・ます体」によって増幅されないからという理由からというのです。
「新・いますぐ本を書こう!」 (ハイブロー武蔵・著 171ページ) より)
(誤) 増幅されないからという理由からというのです。
(正) 増幅されかねないからです。
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