検証 「わかりやすい文章を書く技術」 48   [ブログ]

あとがき
 
 
 本書を読み終え、多くの方が、文章をわかりやすく書くコツを理解できたと思う。だが、まえがきでも言ったように、これだけですぐに文章の達人になれるわけではない。書き方のコツを知るのと、実際に書けるようになるのは別のことだ。自分でそれなりの練習をしてこそ、本当に書けるようになる。だから、実際に書けるようになるためには、これから、少々の練習が必要だ。
 私は、練習は実践に限ると考えている。中には、実際に使ってみる前に自分の部屋にこもって練習する人がいる。そして、人に見せられるようになってから、やっと実際に使ってみようとするわけだ。そうすれば、文章の下手さを人に見せずにすみ、突然、文章がうまくなった自分を他人に見せられると思っているのだろう。
 だが、それはきわめて効率の悪い方法だ。
 恥をかくのを恐れてはならない。人に見せて、わかりにくさを指摘され、それを改めて読んでもらっているうちに、上達していく。英会話でも文章でもカタオケでもゴルフでも、どれだけ恥をかいたかが、上達の中に現れる。恥をかいた分だけ上達するといってよい。
 したがって、まずは実践してみることをお勧めする。そうすることによって、実際に使ってみながら、自分の文章を改善していくわけだ。 
 
 
 しかし、どうしても、もう少し自分で練習してみたいという人に、お薦めしたいのは、学習参考書だ。
 学習参考書というと、中には毛嫌いなさる方も多いかもしれない。高校生ではあるまいし、いまさら、本屋さんの参考書コーナーなんて行けるものか・・・・・・と (中略)
 自分の子供の参考書を見てやるようなふりをして、行ってみてほしい。そうすると、 (中略) 
 そして、文章が苦手な人にお薦めしたいのが、小論文や作文の参考書だ。
 初歩の初歩から文章を書く練習をしたい人には、中学生向けの参考書をお薦めする。私自身、高校入試用の『高校入試受かる!小論文』(学研)、『高校入試ぶっつけ入試作文』(文英堂)などの参考書を出している。これらを使ってほんの数日練習すれば、すぐに実践に移れるはずだ。
 また、もう少し高度な練習をしたい人には、大学受験生向けの本をお薦めする。私の参考書に『基礎強化入試小論文』(学研)などがある。本書を1冊練習してみるだけで、かなりの力がつくだろう。
 ただし、これらについても、それほど必死に練習する必要はない。練習問題に取り組み、自分で答え合わせをするくらいにして、あとは実践が大事だ。
 (以下 ⇒ あとがき 2)
「わかりやすい文章を書く技術」 (樋口裕一・著 221224ページ) より
      
本書を読み終え、多くの方が、文章をわかりやすく書くコツを理解できたと思う 

     
著者がそう思いたいのは無理もない。しかし、どれほどの読者がこの本を読んで納得できたか「山ほどある文章読本の類でまともに評価できるものはあまりない」という指摘もある。まさに著者の「独り善がり」と言えるものがここにある。
   

書き方のコツを知るのと、実際に書けるようになるのは別のことだ。
自分でそれなりの練習をしてこそ、本当に書けるようになる
だから、実際に書けるようになるためには、これから、少々の練習が必要だ。
        
 
書けるようになる」が立て続けに出てくる。少し表現を変えてはどうか。
       
 
中には、実際に使ってみる前に自分の部屋にこもって練習する人がいる。そして、人に見せられるようになってから、やっと実際に使ってみようとするわけだ。
そうすることによって、実際に使ってみながら、自分の文章を改善していくわけだ。
        
 
いったい何を「使う」というのか。もしかしたらそれは、著者が提唱する文章理論を「使う」ということか。著者の言っていることはこの上なくわかりづらい。なぜわかりづらいのか。それは、「説明しなくてもわかるだろう」という身勝手な思いがあるからだ。まさにそれこそ「独り善がり」というものだ。
   
人に見せて、わかりにくさを指摘され、それを改めて読んでもらっているうちに、上達していく。
 
      
それを改めて読んでもらっているうち」とはどういうことか。そもそも「それ」とは何か。「それ」とは、指摘を受けたために書き直したもののことではないのか。それならば、 
   
人に見せて、わかりにくさを指摘され、それを書き直した上で改めて読んでもらうことで上達していく。 
   
とすべきではないか。 
        
 
しかし、どうしても、もう少し自分で練習してみたいという人に、お薦めしたいのは、学習参考書だ。
また、もう少し高度な練習をしたい人には、大学受験生向けの本をお薦めする。
        
 
著者は、「学習参考書」と「大学受験生向けの本」を薦めている。しかし、「学習参考書」は「もう少し自分で練習してみたいという人」向けであり、「大学受験生向けの本」は「もう少し高度な練習をしたい人」向けであるという。
      
果たして、「もう少し自分で練習してみたいという人」と、「もう少し高度な練習をしたい人」とは、具体的にどう違うのか。イメージが掴みづらい。もっとわかりやすく、簡潔に表現できないものか。
            
 
高校生ではあるまいし、いまさら、本屋さんの参考書コーナーなんて行けるものか・・・・・・と
   

異議を唱えるのに「本屋さん」はないだろう。ここは、「本屋」だろう。「本屋の参考書コーナーなんて行けるものか・・・・・・」と。著者は、自分が執筆した参考書を盛んに売り込んでいる。そうしたいのはわからなくもないが、どうにも違和感を覚えてならない。 
 
  
 

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