全柔連の対応のお粗末さ   [情報]

上村会長は潔く引責辞任すべし

 

一本か、せいぜい技ありで決まっていたはずなのに、有効だの指導だのが積まれるばかりで畳の外からは甚だ分かりづらい。そんな最近の勝負と二重写しになるのが日本柔道界である。女子選手への暴力に揺れた全日本柔道連盟の幹部全員の留任が決まったのだという。

▼選手を「死ね」と罵ったり、ほうきの柄で殴打したりという全日本女子チームの監督が辞めたのは当然。では、去年の秋に暴力沙汰の情報をつかんでいながら、監督を続けさせ、解決を先延ばしにしたのは誰なのか。強化のために受け取ったはずの助成金が領収書なしの宴会費などに化けたとすれば、誰の知恵なのか――。

▼「一丸」とは決意を込めてみせるに都合のいい言葉だ。人事を話し合ったという理事会の後の上村春樹全柔連会長続投の弁も「一丸となって難局を乗り切ろうということでご理解いただいた」だった。が、身内でガッチリ固めた「一丸」が組織から常識を奪う一因だったのではないか、とやり返しても的外れではなかろう。

▼女子選手への暴力について検証した第三者委員会の提言は、柔道の外にいる人材や女性を生かすことを求めた。「これまで通り一丸となっていては難局を乗り切れない」の意だろう。必要なのは一本を取る大技なのに、この期に及んで有効だ指導だのポイントにこだわっている。柔道界の動きにはそうした印象がぬぐえない。

日本経済新聞 「春秋」 2013.3.20 より )

 

暴力、パワハラ問題に続き、助成金の不正受給問題。日本柔道の総元締めである全柔連が大揺れに揺れています。女子選手15名が勇気を持って告発したことから監督やコーチの暴力が明らかになりましたが、その対応は決して大英断と言えるものではありませんでした。

 

暴力行為を告発された園田監督については、全柔連も当初は文書による戒告処分で済ますはずでした。しかし、マスコミで問題が大きく取り上げられたことから辞任せざるを得なくなりました。

 

3月18日の理事会では、第三者委員会の提言を受けてその対応が協議されました。しかし、上村会長を含めて全理事が留任するという内容でした。上村会長は、理事会で執行部辞任を求める声が出たことを認めましたが、「この難局に対し理事会一丸で取り組んでいく」と、責任を取って辞任する姿勢は微塵も見せませんでした。

 

しかし、そういう姿勢を示した後になってまたしても不祥事が発覚しました。それが助成金の不正受給問題です。3月26日に全柔連の緊急会見が行われましたが、その場でも上村会長は、第三者委員会の判断次第というあいまいな答弁をしていました。なんとも情けない対応だと言わざるを得ません。

 

上村会長は、自分が会長を務める事が日本柔道のためになると思っているのでしょうか。責任を取って潔く退任することの方が日本柔道のためになるのはないでしょうか。全柔連という組織を私物化していると批判されてもやむを得ないと、私は思います。

 

6月に理事会が開かれるといいます。その時まで上村会長はそのポストに居座るつもりでしょうか。あるいは、その後もさらに会長として居続けるつもりなのでしょうか。まさか、会長にふさわしい力量の人材は自分しかいないと思っているわけではないでしょう。

 

第三者委員会の見解を待たなければ何もできないとは情けない限りです。「泣いて馬謖を斬る」という言葉もあります。如何にそのポストが魅力的であっても、潔く身を引く事こそ器の大きさを示すのではないでしょうか。

 

指導者としての心得

http://www.genseiryu.jp/rules/

 

全柔連 不祥事続きで新年度のスポンサー決まらず…  (2013330)

http://www.sponichi.co.jp/sports/news/2013/03/30/kiji/K20130330005504190.html 

 

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