検証 「真夜中の看守長 ルナーミッション」 [ブログ]
「居室の壁や房扉に本人が頭を何回も打ちつけていたので、開扉して制止しました。保護房まで滝口は素直に指示に従い、自ら入室しました」
「原田部長(看守部長のこと)、単独連行はまずいなあ。とにかく、応援の職員が来てから連行してくれよ。部長よりも相手のけがが心配だからなあ。やり過ぎて訴えられたら、今度こそ終わりだぞ」
警備隊長が笑いながら警告する。常習者の虚偽の報告は見抜かれていた。
「真夜中の看守長 ルナーミッション」 (河村龍一・著 45~46ページ) より
2001年から翌年に掛けて、名古屋刑務所で刑務官数名が受刑者3人に暴行を加え死傷させるという事件が起きた。受刑者が職員の言うことを聞かないために懲らしめる目的であったことが裁判で認定された。この事件がきっかけとなり、監獄法に代わる「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」が成立した。
この物語の主人公の原田は、処遇困難者を収容している舎房の担当をしていた。集団処遇が困難なために一日中単独室で生活している彼らの日常生活の世話をするのが仕事である。職員の言うことを聞こうとせずに暴力を振るう受刑者には体で思い知らせることも必要だという信念が、原田にはあった。そのため、居室で暴れる受刑者に一人で立ち向かい、身につけた制圧術でそれを制圧していた。
しかし、受刑者の一人から暴行されたと訴えられる。事態を重視した当局は、原田が不適切な行為をしたと判断し、原田を所長厳重注意とし、転勤という処分が下った。
ここに引用したシーンは、新法が成立する以前の刑務所での一場面である。そのため、職員一人で暴れる受刑者と対峙するということなど新法ができてからはとてもあり得ない。 受刑者を制圧する際や連行する際には、その一部始終をビデオで録画し、職務執行の正当性を記録として残すようになった。
処遇困難者を担当する職員の苦労は並大抵のものではない。そのストレスから病気になる職員もいる。当然、辞めていく職員もいる。そういう厳しい現実に日々立ち向かっている職員には本当に頭が下がる。
http://www.moj.go.jp/content/000003068.pdf http://tamutamu2011.kuronowish.com/keijisisetuhou.htm
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衛生夫が初めて語った! 東京拘置所「死刑囚」30人それぞれの独居房
http://blog.goo.ne.jp/a1214/e/1f1699d636c0ba55ff78c2178bced3e7
新法後も、ビデオ撮影係や応援職員が来る前にやってたけん
その経緯に至るまで説明しますたい
自分たちが勤務しとる施設では、工場の担当職員がたった一人で70人以上の受刑者たちの処遇を任せられておるけんのう
新法になってから受刑者どうしでケンカする事犯よりも、職員暴行事犯のほうが増加しおったんや
なぜだかわかるけんのう?
懲役どおしでケンカすると相手から反撃されてしまうけん、奴らは溜まったストレスを発散するために、襲っても反撃できない職員を絶好のストレス発散のターゲットにしたんじゃけん
新法が普及して間もない頃はのう、たとえ職員の正当防衛としての行為でも暴行として摘発されおったんじゃ
受刑者の人権尊重重視じゃけん、職員がケガしても事件にはならんかった
ばってん、職員の正当防衛でケガしたと懲役どもが訴えれば、刑務所側から事件にされたんけんのう
そんなひどい状態じゃけん自分たちの施設では、しょうものうなって刑務所の秩序が乱れてしまったんじゃ
反則あり、職員暴行あり、なんでもありじゃけんのう
そんなんでしたが、数年まえに新しく赴任されてきた処遇部長が、これではまずいと気づきおったわ
あの頃は出世ばかり気にしている幹部職員たちが多かったけんのう、この処遇部長さんは珍しゅう正義感の強いお人で、みずから率先して暴れている受刑者たちを制圧したんじゃ
自分たち現場の刑務官たちにも、体を張ってでも施設の秩序を維持せいとハッパかけてきたんじゃけん
逆に懲役たちに背を向けるような職員は、即左遷でごんした
その頃から自分たちの施設は正常な刑務所に戻ったんじゃ
新法はいかんですよ
矯正も反省もあったもんじゃなか
懲役がでたらめし放題の法律は、一刻もはよう変えたほうがええですわ
by 原田誠司 (2014-04-08 19:06)
原田さん。コメントありがとうございました。
by クレーマー&クレーマー (2014-04-09 22:58)