東日本大震災から3年と3カ月   [東日本大震災]

苦悩する自治体
 


職員の疲弊 重責抱え燃え尽きも

 「町の農業の再興のために必要な事業だと心底思って取り組んできました」
 

 人けのない静まり返った日曜日の町役場。4月27日、山田町農林課の課長補佐を務めていた男性職員(59)は、町長に宛てた遺書にこう書き残し、5階の窓から飛び降りた。「悔やんでも悔やみきれません」。遺書には、後悔の言葉もつづられていたという。
 

 町などによると、震災で自宅の被災は免れたが、町内に住む妹を失った。毎週日曜、翌日からの仕事の準備をするために出勤するほど、真面目な職員。農林課では被災農地の復旧と、大規模化のための圃場整備などの実務を統括し、事業主体である県と農家の間で調整を行っていた。
  

 定年退職まで1年を残し、なぜ死を決意しなければならなかったのか。男性の妻は「思い当たることはない」と声を詰まらせる。
  

 ただ、同僚らによると、農家から事業の同意を取り付ける際に難航するケースや、事業の実施が決まっても、農業者の高齢化が進む中で思うような営農計画が策定できない地域もあるなど仕事面で苦労していたという。

 

 同町にとって圃場整備は約30年ぶりの大事業。多額の税金が投入される中で「失敗できない」という重圧があったのかもしれない。
  

 豊間根和博総務課長は「本当の理由は分からない」としながら、「思い描いた通りに事業が進まないことに悩んだのではないか」と推察する。「職員は皆それぞれ苦労しているが、責任感が強く、真面目な人間はなおさらだ。本当に悔しい…」

    ( 中  略 )

 岩手医大医学部災害・地域精神医学講座の大塚耕太郎特命教授は「被災地では年を追うごとに物理的、心理的ストレスが積み重なりスタミナ切れする人も出ている。特に行政職員は『仕事をやって当たり前』と思われがちで、肯定的な評価を感じにくい。住民と向き合う中での葛藤もあるだろう」と指摘する。
  

 各自治体では職員のストレスチェックや個人面談、管理職研修などを通じてメンタルヘルスのケアに努めているが、山田町の職員のように見過ごされるケースも出てしまう。
  

 大塚特命教授は「今対策を打たないと患者がさらに増加する危険もある。体と心のトータルの健康管理が重要。誰でも心の病を患う可能性があるとの前提に立って、職場全体の態勢づくりが求められる」と訴える。

2014527

http://www.iwate-np.co.jp/311shinsai/saiko/saiko140527.html  より


岩手日報WebNews

http://www.iwate-np.co.jp/index.html
    

言葉を失う被災地の惨状
http://mayonaka-kansyutyou.blog.so-net.ne.jp/2013-08-17
 

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