犯罪者の楽園?   [You Tube]

明治以来、1世紀近く続いてきた監獄法による刑務所の運営は、平成18年に施行された新法によって刷新されました。これは、平成14年に起きた名古屋刑務所での職員による受刑者の暴行死が契機となり法律改正に至りました。

 

新法では、受刑者の権利が明確になった反面で職員の行動はかなり制約されるようになりました。受刑者をそれまでは名前で呼んでいたのを新法以降は、番号で呼ばなくてはならなくなったといいます。また、声を掛けるにも「おい」と呼んではいけないともいいます。そのため、権利ばかり主張して受刑者としての義務を放棄し、少しでも職員に非があるとなると面白がってそれを問題にする者が増えたといいます。

 

施設内で読むことができる本も以前なら考えらないほどに自由になったともいいます。職員にいかにして対応するかという、受刑生活のマニュアル本的なものも読めるといいます。受刑者に掛ける言葉ひとつに配慮しなければならない職員にとって新法後の職務環境は、神経をすり減らすぐらいに緊張する毎日だろうと思います。

 

事件を捜査し犯罪者を逮捕する警察官と同様に、受刑者の処遇を担う刑務官の職務は激務です。それが新法後においてはさらに厳しくなりました。最後の治安の砦を日夜、心身をすり減らして勤務している現場の職員に頭が下がります。

 


 

第三金属工場の食堂で、昼休み中の住人たち数人が愉快に談笑している。

 

「殺った相手は障害者だったんです。吉田さんは遠慮なく『K1だ。K1だよ!』と言って、パンチやハイキックの練習していました。障害者だから手も足も出ないのにK1はないですよ。本当にワルですね。被害者は小便もらして必死に命乞いしていたなあ。最初から金を渡せば助けてやったのに。アハハハ」

 

新入り受刑者の一人が悪びれもせずに自慢げに言う。

 

「藤谷がバックドロップでトドメを決めたんだよ。こいつのほうがワルです。それにしても、弁護士のおっさんは『覚せい剤使用』とは、うまい作戦を考えたなあ。普通なら死刑になっていたところだ。それがたったの六年。さすが、使える弁護士だなあ。今度、皆さんもパクられたら紹介しますよ。アハハハ」

 

以上、 「真夜中の看守長〜ルナーミッション」(河村龍一・著)より

 

 真夜中の看守長 ルナーミッション.wmv → http://youtu.be/E406yFaVTJE

 


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