論理的であることの大切さ [言葉・文章]
(事例 1)
あなたはある高校の教師です。生徒が喫煙しているところを見つけたので、注意したところ、次のように言い返されました。あなたはどう反論しますか?
生徒:『煙草を吸っちゃいけないというけど、そう言っている先生が吸っているじゃないか。
( 中 略 )
この問題では、『未成年の喫煙は法律で禁じられている』、『(法律上)成人は喫煙しても良い』と回答される方が最も多いです。こう考えた方は要注意です。思考が浅いところで止まっています。この先を考えなければならないのです。つまり、『なぜ法律は未成年の喫煙を禁じているのか?』という部分です。この『なぜ』と考えるのが論理的思考では最も大事な部分です。
この『なぜ』という疑問がもてないと、 思考はここで止まります。この例でいえば、『青少年だけを差別的に、法律で押さえ込む』ということになります。これでは、この高校生は納得いかないでしょう。
なぜ法律は未成年の喫煙を禁じているのか、これは主に次の2つが原因と考えられます。
1. 身体的に成熟しきった大人より、発育途中の青少年の方が、より深刻な害を受けるため
2. 煙草には害と益があり、大人は両者を比べ、自己責任の上で喫煙している。一方、青少年は、この判断ができるほど精神的に成熟していない。その未熟な判断をもとに自己責任をかぶせるのは、青少年にとって不利益が大きすぎるため。
( 中 略 )
このように、『なぜ』という疑問がもてる人は、さらに 思考が深められます。この例でいえば、次のような点です。
本当に、発育途中の青少年の方が、より深刻な害を受けるのか?
それはなぜか?
高校生の喫煙に関する判断は、本当に未熟なものなのか?
http://www.logicalskill.co.jp/logical/are_y_logical.html より
すなわち、論理的に答えるとするならば、「煙草には害と益があり、大人は両者を比べ、自己責任の上で喫煙している。一方、青少年は、この判断ができるほど精神的に成熟していない。その未熟な判断をもとに自己責任をかぶせるのは、青少年にとって不利益が大きすぎる。そのため、法律で未成年者の喫煙を禁止している」となる。
(事例 2)
「雲が出て来た。洗濯物を仕舞い込んだ方がいい」というのは、論理的な主張になっている。雲が出るということは、経験法則的に雨になりやすいと言える。よって、洗濯物を仕舞い込んだ方がいいという結論を主張するのに、「雨になるかもしれないから」という説明は必要でない。
しかし、「雲が出て来た。早く寝た方がいい」というのは、論理的ではない。なぜなら、「雲が出て来た」ということと、「早く寝る」ということとの間には、一般的な相関関係がないからである。もっとも、「雨になったら雨の観察をするいい機会だから」というケースもあるかもしれない。その場合には、そのことを説明して初めて論理的に主張していることになる。
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