現役の刑務官からメール [死刑廃止論]
死刑執行について
現役の刑務官の方からメールを頂きました。
(以下、そのメール全文です)
色んな意見の中で、皆さんがよくご存知ではないこと、逆に知っていただいた上で、死刑執行について、論じていただきたいと思って、投稿させていただきました。
一つ目は、裁判制度です。
死刑判決が決まるまで、最大3つの段階の裁判が行われます。三人以上の裁判官よる「地裁判決」、控訴による「高裁判決」。ここまでが、被告や被害者、証人(医学的な責任能力や判断力の存否、事実確認、情状酌量の材料を確認するための)を交えた実質的審理。最高裁は、被告を交えないで、法令適用、過去の判例(前例を基に、刑期の期間や死刑適用を判断)、事実再確認を行います。つまり、過去からの膨大な事案内容や裁判官、医師、見識者の考えや判断を反映したものが、「死刑の選択をするか、しなかったか」の判決なのです。
二つ目は、死刑囚は刑務所には収容されません。
死刑が執行されるまでは、高裁がある地区にある拘置所で、死刑が執行されるまで過ごします。被告と同様の自由度を保証されるほか、執筆活動そのほか、一部受刑者に近い処遇(優遇など)が与えられます。3つ目として、数十年の間、死刑が執行されないままの者が、多数います。4つ目として、死刑とは社会の付託に基づいた「刑罰の執行」であり、過去の「ある報復行為は、その後も、とめどない報復行為」を生むとの反省に基づいた刑罰の一つであることです。5つ目として、刑務所でのいかなる処遇や長期の収容生活をもってしても、犯罪性が除去できない、矯正できないと判断されない限り、死刑判決は出されません。
刑務所の一断面
http://mondai-kaimei2011.blog.so-net.ne.jp/2012-07-05
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