秋田書店事件を傍聴 [日記]
傍聴席は、4人掛けの椅子が11脚。傍聴人は35人前後ではなかったかと思う。
裁判は、定刻(13:30)に始まった。被告(秋田書店)から提出された書類を原告が検証するのに約7分。その後、次回の裁判の日時を決定して13:42に終わった。原告・被告の意見陳述は一切ない、実にあっけないものだった。
裁判が終わった後、法廷の隣に設けられている待合室で報告集会があった。「傍聴席が埋められていることで被告に圧迫感を与えることができる」ということを原告代理人が説明していた。裁判は、まだまだ証拠書類を出し合うことが続き、結審の見通しはつかないということだった。
第6回公判
日時:2014年7月31日(木)午後1時30分~
法廷:東京地裁705号法廷
次回公判
日時:2014年9月25日(木)午後1時30分~
法廷:東京地裁705号法廷
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%8B%E7%94%B0%E6%9B%B8%E5%BA%97 より
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『ハリー・ポッター』が売れた理由 [ブログ]
「だから、この作品を新人賞に応募しても、賞を取るのは難しいと俺が言うのは、そういうことなんだ」
「でも、もしかしたら、賞を取る可能性もゼロとは言えないですよね」
「たしかにゼロとは言えない。すごく評価されて受賞という可能性も、もちろんある」
雄太郎はその光景を想像した。『天才作家誕生』という見出しが華々しく新聞紙面を飾っているのを。『審査員満場一致で受賞、天才作家現る!』
「夢を売る男」 2 チャンスを掴む男 より (76~77ページ)
フリーターの温井雄太郎(25)は、丸栄社の編集者・牛河原勘治に原稿をべた褒めされて、出版することを決意する。提示された出版費用は3,650,000円。著者が負担するのはそのうちの1,470,000円。「出来る限り著者の負担を少なくするべきだと、俺もとことん販売部相手に頑張ったんだが―すまない。俺の力不足だ」と牛河原が釈明する。
牛河原の巧みな演技に雄太郎は見事に騙される。フリーターの雄太郎にとって1,470,000円は大金だ。しかし、「一世一代の大勝負に打って出るんだ!」と出版を決意。そして、その決意を友人に打ち明ける。友人の一人から「もしお前の作品が本当に素晴らしければ、新人賞に応募しても通るんじゃないの」と言われてその決意が揺らぐ。
そこで、雄太郎は、牛河原に新人賞への応募について打診する。しかし、編集者として修羅場をくぐり抜けてきた牛河原にその迷いは見事に吹き飛ばされる。
雄太郎 「牛河原さん。俺、丸栄社で出版します」
牛河原 「よく言ってくれた、温井君。一緒にいい本を作っていこうじゃないか」
(寸評) 売れない本とわかっていても、著者をその気にさせる牛河原の話術はさすがである。現実にこういう編集者、あるいは出版社は存在するはずだ。そういう編集者や出版社にとってこの本は、実に目障りな存在であるだろう。著者の百田尚樹氏と、本を刊行した太田出版にエールを贈りたい。
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著者をその気にさせる編集者の手腕 [ブログ]
「親子揃って我が社にやって来たなら、まずいける。丸栄社の立派なビルを見れば、安心するだろうし、広いロビーから豪華な応接室に通して話をすれば、イチコロだ」
「あのロビーと応接室の効果は抜群ですね」
「うちは、一階フロアだけは内装にたっぷりと金をかけてるからな」牛河原はそう言って笑った。
「父親は教師で一戸建てに住んでいる。よほど無茶な金額さえ吹っかけなければ大丈夫だろう。二百万くらいはいけると踏んでいる」
「馬鹿野郎、それなりに黒はしているさ。それに契約が済むまでは稼いだとは言えん。契約の直前に気が変わる奴はいくらでもいる。だから、この後が大事なんだ。ハンコを押させるまでは絶対に油断しないことだ」
牛河原は噛んで含めるように言った。荒木は神妙な顔で頷いた。
「でも、たかが千部の本なんか数十万円で作れるのを、世間の人は知らないんですね」
「そんなことが知られたら、大変だ」
「夢を売る男」 1 太宰の再来 より (29~30ページ)
印刷・製本にかかる費用を含めて、出版にいくら金がかかるかは、素人はわからない。だからこそ、100万もかからないのに、200万とか300万とか、かかるように見せかけることはいくらでも可能だ。顧客(著者)としてはその数字を検証することはできない。信じるしかない。
夢の実現のためには騙されることも覚悟する必要がある。場合によっては、売れに売れて印税生活も不可能ではないのだから。(・・・そんなバカな!!)
笑い事ではない出版社の内部事情 [ブログ]
「それじゃあ、待っています」
牛河原が電話を切ると、机の横に立っていた荒木が笑いながら、「一丁上がり、ですか」と訊いた。
「ホームページにはそう発表することになっている。こういう数字はでかいほどいいんだ」
荒木はにやにやしながら、「その選考をくぐり抜けるとは、すごいということですね」と言った。
「まあな」と牛河原は言った。「困った馬鹿息子と思っていた子供に小説の才能があったんだ。出版社の編集者に褒められて、疑う親はまずいない。親というのは、どんなに出来の悪い子供でも、本当は素晴らしいところがあると信じているからな。まして大事な一人息子だ」
荒木が大笑いした。
去年8月、秋田書店が、誌面上で実施したプレゼント企画において、当選者数を水増しし、実際は誌面上に掲載された当選者数を下回る数の景品を発送していたことが発覚した。同様のことは6年前から行われていたという。
秋田書店は、消費者庁から読者に誤解を与える悪質な行為だとして再発防止命令を受けた。しかし、同様の例は他社においてもあるはずだ。秋田書店の不正は、社員による告発によって発覚した。しかも、秋田書店はその社員を解雇した。
秋田書店に言わせると、解雇の理由は「元社員が賞品をほしいままに不法に窃取した」ためだという。真実はどこにあるのか。秋田書店の主張は極めて疑わしい。
秋田書店が読者プレゼント水増し問題の告発社員を解雇。告発した女性社員(28)が撤回求め提訴
http://matome.naver.jp/odai/2137706863004324501
【社告】毎日新聞の報道に対する弊社の見解について(平成25年8月22日改訂)
http://www.akitashoten.co.jp/news/201
内部告発の意義
http://mondai-kaimei2011.blog.so-net.ne.jp/2014-07-08
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おそまつな説明 [ブログ]
http://www.hibiki-food.jp/news/2014/02/post-7.html より
これは、「ある居酒屋」とは違う別の会社のホームページである。ここでは「ご飲」ではなく「誤飲」とある。明らかに「ご飲」はおかしい。
しかし、「以上に注意して」というが、「以上」とは何のことか。どう注意すればいいというのか。「以上」の部分にはグラスにストローを挿した写真があるだけだ。
「アルコール誤飲防止対策」であることはページのタイトルからわかる。しかし、なぜそれが「アルコール誤飲防止対策」となるのかはわからない。明らかにこれは説明不足だ。
どうしてこういうおそまつな説明がまかり通るのか。これは、「おかしい」と思っても誰もそのことを表明しないからではないか。
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飲酒運転防止を訴える、訳のわからない表現 [言葉・文章]
「ご飲」「御飲」「誤飲」・・・
ある居酒屋に初めて入った。その店ではそれぞれのテーブルの壁に
当店ではご飲防止の為
「ソフトドリンク」にストローを挿して提供させて頂いております。
という掲示をしていた。「ご飲」とは何か。「防止」とあることからすると、これは「誤飲」ということか。
どういうことかと従業員に聞くと、車で来た客が間違ってアルコール飲料を飲むことがないようにするための配慮だという。つまり、ストローが挿してあるということがアルコール飲料ではないということを証明するという訳だ。
確かに、そういう説明を聞けばなるほどと思う。そのアイデアはなるほどと思えなくもない。しかし、それにしてもこの「ご飲防止」はないだろう。
この掲示を疑問に思った客は、今まで誰もいなかったのか。疑問に思った客もいたのではないのか。ただ、疑問に思ってもそのことを口にしなかっただけではないか。
飲酒事故を防止するため最近ではどの飲食店でも、車での来店かどうかを確認している。しかし、客が必ずしも本当のことを言うとは限らない。車で来ていても運転するまではかなりの時間があることを理由に車では来ていないという場合もあるだろう。
飲食店において車での来店かどうかを確認するのは、責任逃れのための形ばかりのものと言えなくもない。飲酒事故を防ぐには、やはり、運転席に座った者のアルコール度数を検知して自動的に車の運転ができなくするようにするしかない。
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本を出したいという著者の夢を弄ぶ出版社の巧みな営業トーク [ブログ]
「ご存じのように新人作家の場合、ファンもいなければネームバリューもありません。ですから何かの賞を受賞しているというのが大きな冠になっていまして、それが販売につながるのです。しかし、鈴木さんの場合、そのアドバンテージが使えない」
鈴木はじっと牛河原の話を聞いている。
「鈴木さんもご存じだと思いますが、一冊の本を出版するには大変な金がかかります。編集費、校正費、印刷費、デザイン費、営業費、宣伝費と、何から何まで含めると最低でも数百万円かかります。したがって、もし本が売れない場合、下手をすると弊社としても多大な赤字を被る可能性もあるわけです」
「はい」
「しかし何度も言うように、鈴木さんの作品は世に問う価値があります。いや、これを埋もれさせてはならないと思っています。これは私の編集者としての意地とプライドです」
牛河原はそこでひとまず言葉を切った。
「弊社ではそういう作品に対して、ジョイント・プレスというシステムをご提案させていただいているのです」
「ジョイント・プレス?」
「これは、出版社と著者が共に手を携えて本を出そうという趣旨のもとで作られた丸栄社独自の出版形態です。簡潔に申し上げますと、出版にかかる全費用を丸栄社と著者が負担し合うということです。このことによって、優れた本でありながら、種々の事情で出版が難しかった本を世に出すことができるのです」
牛河原はここで再び少し間を置いた。
「はっきり言いましょう。出版費用の一部を著者である鈴木さんにご負担していただければ、出版に踏み切れるのです」牛河原は鈴木に返事をする間を与えずに、たたみかけるように言った。「これはうちとしても賭けです。勝負に出るということです。私は販売部を説得して、OKをもらいました。鈴木さん、あなたも自分の作品に賭けてみませんか。あなたがもし自分の作品に自信があるなら、勝負に出るべきではないですか」
「夢を売る男」 1 太宰の再来 より (24~26ページ)
「ジョイント・プレス」 とは、所謂、書店流通型自費出版、もしくは共同出版とか呼ばれているものだ。著者が、出版に要する費用の半分を負担するとしても、そもそもの出版に要する費用は出版社がはじき出している。提示された費用が正当なものかどうかは、実に怪しい。
出版に要する費用は200万円程度なのに、著者に全額を負担させる目的で、出版に要する費用を400万円と提示するということがあり得る。少しも安くなっていないのに「50パーセント割引」として表示して売るのと変わらない。まさに詐欺商法そのものだ。
合理的な解釈とは・・・ [言葉・文章]
甲(著者)は、本件書籍の増刷部数1,000部のうち700部について、契約終了時点で残部があった場合、甲は残部すべてを定価1,000円の80%にて買い取ることとする。
売れ残った場合の買取り部数の解釈を巡って出版社と見解の相違が生じました。
問題となっているのは、「1,000部のうち700部について」の解釈です。何を基準にするかで解釈は分かれます。私は売れた部数を基準にしていますが、出版社は売れ残った部数を基準にしています。
これに対して、出版社の解釈では、その根拠は ??? です。いったい、出版社の解釈の根拠は何でしょうか。皆さんのご意見をお聞かせください。私は、どう考えても合理的な根拠があるとは思えません。
私の解釈では、700部を超えて売れた場合に出版社の収益は増えます。
しかし、出版社の解釈では、300部売れた時点で収益は最大となり、それ以上どんなに売れても(完売しても)出版社の収益は増えません。
⇒ http://blogs.yahoo.co.jp/zihisyuppann/67290078.html
投稿日時:2014/07/24 19:30
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/8690986.html より
(作成中)
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2ヶ月で再生回数3万回・・・ [You Tube]
小藪千豊の死刑賛成論
https://www.youtube.com/watch?v=3nzH7MxlWcU
動画情報 | チャンネル: MultiQwert2012
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アップロード日時: 2014年05月14日 11:55
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長さ:3:03
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元のファイル:小藪千豊の死刑賛成論.wmv
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再生回数: 31519
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高評価: 55
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低評価: 3
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コメント数: 16
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動画の URL: http://youtu.be/3nzH7MxlWcU |
TVタックル 死刑制度 (2014.4.7)
https://www.youtube.com/watch?v=lTxaP3s0SxM
詐欺出版商法の被害者の逆襲 [ブログ]
藤巻はマスコミの影響力のすごさをあらためて思い知らされた。古い友人や音信のなかった元同僚から「テレビを見た」とか「記事を見た」という連絡が頻繁にあった。一般の見知らぬ人からどうして電話番号を調べたのか、「本を読みたいのですが、どこに行けば手に入りますか」という問い合わせもたまにあった。電車に乗っていると、乗客から「テレビに出ておられましたね」と声をかけられることもあった。
藤巻は自分が有名人の仲間入りをしたのがわかった。脚光を浴びるということがこれほど素晴らしいものだったとは。七十年の人生でその快感を初めて知った。
裁判の行方に関してはまったく心配していなかった。狼煙社の詐欺商法の証拠は次々に出てきたし、弁護士は「裁判はまず勝てる」と言っていた。おそらく完全勝訴で終わるだろう。それは自分の人生を飾る輝かしい勝利になる。
藤巻は狼煙社との闘いの顛末を本にするつもりだった。それはまさしく息詰まるドキュメントになる。詐欺まがいの商法に騙されて一時は失意に沈んだ男が、不屈の精神で立ち上がり、敢然と巨大出版社に挑む戦いの軌跡を綴ったノンフィクションだ。
一連の報道で、藤巻正照の名前と狼煙社をめぐる戦いは世間に大いに知られた。多くの人が注目するこの事件を当事者である本人が書き下ろした本が話題にならないはずはない。他社に版権を移した『我が戦いに悔いなし!』とともに、二冊の本は空前のベストセラーになるだろう。
藤巻は喜びのあまり、自分の血圧が上がってくるのを感じ、ポケットから慌てて薬を取り出して飲んだ。
「夢を売る男」 9 脚光 より (271~273ページ)
この小説は、モデルが存在する。狼煙社は、2008年に倒産した新風舎であることは明白だ。実際、小説の中でも裁判は原告(4人)と和解して終わるものの、マスコミで大きく取り上げられたことで大きく顧客を失い倒産する。
しかし、藤巻正照のその後のことは触れていない。藤巻が予測していたとおりになったのか、それとも「捕らぬ狸の皮算用」に終わったのかはわからない。