知られることの少ない刑務官の激務 [ブログ]
公開が憚られる塀の中の実態
司法は、この写真に写っている被害者が受けた恐怖と苦痛、深い無念と絶望など全く考慮せず、残忍な犯行に及んだ加害者たちの命を救済し、彼らの人権まで保障したのである。
逆に、遺族の母親の残された人生を奪ってしまったようなものだ。永遠に癒されることのない遺族の恩讐の彼方に、明るい展望を見いだせるとでもいうのだろうか。
以上、「闇サイト殺人事件の遺言」 (河村龍一・著 53~54ページ) より
「無期懲役囚の実態」とか「これが交通刑務所だ」とか、テレビで塀の中の様子が放映される。その中には、受刑者がインタビューに答えるものや、非常ベルが鳴って現場に刑務官が駆けつけるものもある。こういうものをテレビで放映するということは、視聴者に刑務所に対する理解を深めて貰い、受刑者の社会復帰に寄与することを意図している。
また、同様の意図で刑務所を参観するという道も開かれている。法曹関係者だけでなく、一般の人でも参観することはできる。しかし、参観にしてもテレビでの放映にしても絶対に公開されないところがある。それこそがまさに、「『治安の最後の砦』としてふさわしくない場所」である。
絶えず奇声を発している受刑者や、汚物を部屋中にまき散らすような受刑者のいる舎房は、まず公開されない。公開されるのは、まさに刑務所にとって「無難な」ところだけである。「これは問題ではないか」と指摘されるようなところが公開されることはあり得ない。
しかし、公開されることのないところで多くの刑務官は厳しい勤務を強いられている。2006年5月24日、「監獄法」に代わって「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律」が施行された。それ以降、さらに状況は厳しくなったという。そういう厳しい状況の中で、多くの刑務官は歯を食いしばるようにして職務に励んでいる。
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