うまい比喩 その6   [言葉・文章]

「重箱の隅をつつく」 
  
STAP細胞の論文不正疑惑問題で、窮地に陥っている小保方晴子さんは、盛んに反論を試みている。最終的には小保方さんの研究者としての道が閉ざされてしまうことにもなりかねない。そのために小保方さんが必死になって自己防御するのは当然だ。
 
  
ところがこの問題は、様々な研究者の業績にまで疑問を投げ掛け、iPS細胞の発見でノーベル医学・生理学賞を受賞した山中伸弥氏にも波及した。

  
山中氏は、「論文に疑問を呈されたことは、去年の4月初めに把握した。共同研究者のデータは保存していなかった。指摘されているデータが自分のノートからは出てこない。これは反省するしかない。本の科学者の見本とならないといけない立場は、十分理解している。心からおわび申し上げる」と謝罪した。
 
  
問題とされたのは、14年前の論文データ。データの保存期間は欧米では5年が普通だという。明確な基準が設けられていない状況で14年前の研究について疑義が表明された山中氏としては困惑したことだろう。
 
   
神戸大の森井昌克教授は、「重箱の隅をつつくような間違い探しは意味がない。山中氏以外の他の著名な研究者も、ありもしない疑義をかけられるかもしれない。本質以外で騒がれることは科学界にとってマイナスだ」と指摘する。まさにその通りだ。
   
山中教授、14年前の論文にネットで疑義 一部データ散逸で陳謝
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140428-00000540-san-sctch
  

                                                                                                 にほんブログ村 経営ブログ マネジメントへにほんブログ村

nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 2

論文不正問題の根幹に迫れ

これで調査を尽くしたと言えるのか。論文不正問題をめぐる理化学研究所の対応には、首をかしげざるを得ない。

小保方晴子氏らが発表した「STAP細胞」論文をめぐる不正疑惑で、理研は再調査しないことを決めた。理研の調査委員会は3月末、「論文には捏造(ねつぞう)や改ざんがあった」と認定し、これに小保方氏側が不服を申し立て再調査を求めていた。

日本を代表する研究機関で起きた不正疑惑は、日本の科学研究への信頼を揺るがしている。調査委が調べたのは画像の切り貼りなど6項目に限られ、なぜこうした問題が起きたのか根幹まで踏み込んでいない。学会など第三者が調査し、真相を究明すべきだ。

今回の疑惑は多くの問題を投げ掛けた。まず研究者の規範意識の低下が懸念されることだ。画像の切り貼りや使い回しについて小保方氏は「悪意はなかった」と反論しているが、説得力に欠ける。客観性が重要な科学論文ではそもそも改変自体が許されないはずだ。

研究論文がインターネットで公開され、不正はすぐに発覚する時代である。それを抑止力にする前に、研究者には自らを律する姿勢がほしい。研究者の倫理とは何か、真剣に考えるべきときだ。

共同研究者の責任や理研の広報のあり方も問われる。小保方氏の上司で研究を指揮した笹井芳樹副センター長は「論文の最終段階でかかわったので、不正を見抜けなかった」と釈明した。だが指導役としての責任は免れない。

理研は小保方氏の発想力を評価して採用し、経験不足を補うため補佐役をつけたという。ベテランが若手を厳しく指導し、独創的なアイデアを育む環境をどうつくるか。教訓を洗い出し、他の研究機関でも生かさなければならない。

STAP細胞が存在するかどうかは、理研が計画しているように第三者をまじえた再現実験の結果を待つ必要がある。それとは別に、理研は論文作成から発表の過程を改めて検証すべきだ。 (2014/5/9)

by 論文不正問題の根幹に迫れ (2014-05-13 12:45) 

研究者のブログ

研究不正については,行ったことが発見された時点で「後から」ペナルティが課されます.その代償はとても大きい.代償を考えると,不正をやることに価値はないと,もうほぼ全てのプロの研究者は理解しているはずですが,何か歯車が狂ったようなことが起こるのは残念です.

by 研究者のブログ (2014-05-15 11:07) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。